無料アクセス解析「THK Analytics」の設置・使い方

THK Analyticsサイトイメージ

自サイトの分析に欠かせないのが、アクセス解析です。

現在、最も利用され、信頼性の高いアクセス解析は、やはり何と言っても、「Google Analytics(グーグルアナリティクス)」ではないでしょうか。

しかし、「Google Analytics」は複雑で、十分に使いこなせていないという方も多いはず。

私もその内の一人で、もう少し簡易的で、尚且つ、無料、高機能なアクセス解析ツールはないものかといろいろ探している中でたどり着いたのが、「THK Analytics」です。

THK Analytics公式サイト

このTHK Analyticsは、以前に国産オープンソースとして提供され、2015.7.23にリリースされたバージョンを最後に、開発終了となっていたアクセス解析「RESARCH ARTISAN Lite(リサーチアルチザンライト)」を基に改良されたものらしいです。

THK Analyticsは、PHP+MySQLで動作するサーバーインストール型アクセス解析で、一般の解析タグを貼りつけるだけのアクセス解析とは異なり、若干、設置に手間が必要ですが、実際に設置してみると、それほど難しくはありませんでした。

ただし、ファイルの設置場所やデータベースへの接続設定などで、若干、悩むところがありましたので、これからこのTHK Analyticsを設置しようという方の参考のため、THK Analyticsの設置手順について、まとめてみたいと思います。

THK Analyticsを設置するサーバー動作環境

THK Analyticsは、上述しましたように、PHP+MySQLで動作するサーバーインストール型アクセス解析ですので、PHPが動作し、かつ、データベースがあるサーバーが最低限必要です。

なので、無料ブログなどを含め、上記条件を満たさないサーバー環境では設置することは難しいかと思います。

さらに、THK Analyticsでは、PHPやMySQLのバージョンなども以下のように推奨されていますので、注意が必要です。

●OS
Linux、FreeBSD、Windows
※ Windows は XAMPP では動作確認済み
※ OSX は持ってないので分からない

●Webサーバー
Apache (Apache でしか動作検証してません)

●PHP
バージョン 5.3 以上

●MySQL または MariaDB
MySQL 4.2 以上 (5.0以上推奨、5.6以上だとさらに高速)
MariaDB 5.1 以上(10.0以上だとさらに高速)

THK Analyticsのダウンロード

まず、下記ページよりTHK Analyticsの最新版をダウンロードします。

THK Analyticsのダウンロードページ

ダウンロードしたらファイルを解凍します。

THK Analyticsをサーバーに設置する

解凍したフォルダの中身は、以下のようなファイル構成になっています。

thk-analytics-124(←フォルダ名はバージョンによって異なる)
┣ _core
┣ _data
┣ thk
┣ index.php
┣ license.txt
┣ README.md
┗ README.html(←マニュアル)

この内、実際にサーバーにアップロードするのは、下記3つのフォルダのみです。

┣ _core
┣ _data
┗ thk(←フォルダ名は変更可能)

この3つのフォルダをサーバーにアップロードするわけですが、ここで少し迷ってしまったのが、サーバーのどのフォルダにアップロードするのかということです。

同梱のTHK Analyticsのマニュアルを読んでみましたが、単にサーバーにアップロードということしか説明されていませんし、他のTHK Analyticsに関する解説サイトにはドメイン直下というような解説もありました。

どのレンタルサーバーでも基本は同じかと思いますが、大抵は以下のようにサーバーのルートディレクトリの中に各ドメインに紐付いたサイトフォルダを設置していることと思います。

ルートディレクトリ(最上階層)
┣ サイトフォルダ1
┣ サイトフォルダ2
┗ サイトフォルダ3

今回、THK Analyticsを一つのサイトに対して利用するのであれば、サイトフォルダ、つまりドメイン直下にアップロードすればよいのですが、THK Analyticsは、複数のサイトに対しても利用することができ、その際のファイル構成は以下のようになります。

┣ _core
┣ _data
┣ thk
┣ site2 (thk のコピー、名前変更可)
┗ site3 (thk のコピー、名前変更可)

つまり、複数のサイトでTHK Analyticsを利用する場合でも「_core」「_data」の2フォルダは共通で、「thk」フォルダのみ使用するサイト数に応じてコピーし増やしていくという流れです。

今回、複数サイトで利用することも想定していましたので、あるサイトのドメイン直下にTHK Analyticsの3フォルダを設置してしまうと、他のサイトに対して利用する際も、このドメイン直下のthkフォルダを参照することになります。

もちろん、ルートパスさえ間違わなければ、それでも動作すると思いますが、構造上、少し変かなと思いましたので、今回、複数サイトで利用することを前提に、サーバーのルートディレクトリにTHK Analyticsの3フォルダを設置することにしました。

なお、サーバー側に「thk-analytics-124(名称任意)」というフォルダを作成し、その中に3つのフォルダをアップロードし、以下のようになりました。

ルートディレクトリ(最上階層)
┣ サイトフォルダ1
┣ サイトフォルダ2
┣ サイトフォルダ3
┗ thk-analytics-124
  ┣ _core
  ┣ _data
  ┗ thk(←フォルダ名は変更可能)

THK Analytics用のデータベースの設定

THK Analyticsを利用するためのフォルダの設置が完了すれば、次に、THK Analytics専用のデータベースを設定します。

多くの無料アクセス解析は、解析データはその提供会社のサーバーにあるわけですが、THK Analyticsは、解析データをユーザー側のデータベースに保存しますので、データベースの設定が必要になってきます。

データベースの設定に関しては、同梱のTHK Analyticsのマニュアルには記載されていないようなので、今回、さくらインターネットのサーバーを例にとり、データベースの設定について解説してみたいと思います。

さくらレンタルサーバーのデータベース設定の手順

まず、[コントロールパネル]にログインし、左メニューの[データベースの設定]をクリックします。

[データベースの設定]画面の[データベースの新規作成]をクリックします。

[データベースの新規作成]で必要箇所の入力を行います。

さくらレンタルサーバーのデータベース設定

①[データベース バージョン]では、最新のバージョンを選択します(THK Analyticsでは5.0以上を推奨しています)。

②[データベース名]には、任意の名称を記入します。

③[データベース文字コード]は、文字化けしないように必ずUTF-8を選択します。

④[同意する]にチェックを入れ、[データベースを作成する]ボタンをクリックします。

これで、データベースの設定は完了です。

THK Analyticsのインストール手順

まず、自分のパソコンのブラウザURL入力欄に、サーバーにアップロード済みのthkフォルダ内のviewフォルダまでのルートパスを入力し、THK Analyticsのインストール画面にアクセスします。

今回の例で記述しますと、以下のようなURLになります。

http://○○○.sakura.ne.jp/thk-analytics-124(任意)/thk/view/

今回、さくらのサーバーのルートディレクトリ直下に、「thk-analytics-124」という名称のフォルダを作成し、その中にTHK Analyticsに必要な3つのフォルダをアップロードしています。

もちろん、このURLは、各個人の設定により異なるかと思います。

なお、THK Analyticsでは、SSL化したサイトの解析も可能なのですが、その際は、THK Analyticsフォルダを設置しているドメインもSSL化している必要があるようなので、留意してください。

以下のようなTHK Analyticsのインストール画面が表示されたら、[次へ]をクリックします。

THK Analyticsのインストール画面

[データベース接続設定]画面に切り替わりますので、上述のデータベース設定で入力した内容を以下のように空欄箇所に入力していきます。

THK Analyticsデータベース接続設定

●ホスト名・・・①[データベース サーバ]

●ユーザー名・・・②[データベース ユーザ名]

●パスワード・・・③[接続パスワード]

●データベース名・・・④[データベース名]

●テーブルプレフィックス・・・これは、THK Analyticsを1つのサイトにしか使用しないのであれば、デフォルトの「thk_」のままでも構いませんが、もし複数サイトで利用する予定のある場合には、サイトごとに任意の名称を入力した方がいいようです。

入力が完了したら、[次へ]をクリックします。

次の[解析するサイトとログイン情報の設定]では、以下の要領で入力していきます。

THK Analyticsの解析するサイトとログイン情報の設定

●サイト名・・・解析するサイトの名称

●URL・・・解析するサイトのURL

●ユーザー名・・・これは、今後、THK Analyticsの管理画面にログインする際に必要なもので、任意のものを入力します。

●パスワード・・・同じくログインする際に必要になるもので、これも任意のものを入力します。

●パスワード確認・・・同上

入力が完了したら、[次へ]をクリックします。

以下のような[インストール完了]という画面が表示されれば、無事、インストール完了です。

THK Analyticsのインストール完了

この画面に解析タグも表示されますが、すぐにタグを貼りつけない場合には、[ログイン画面へ]をクリックしても構いません。

以上で、THK Analyticsの設置、インストールは完了です。

THK Analyticsの解析用タグの取得

インストールが完了したら、後は、THK Analyticsの解析用タグを自サイトに設置します。

解析用タグは、ログイン後、管理画面の左メニュー[アクセス解析設定]で取得できます。

THK Analyticsでは、解析用タグが[Javascript]と[PHP]の2種類が用意されています。

THK Analyticsの解析用タグの取得

一般的なアクセス解析では、Javascriptタグのみですが、Javascriptタグの場合、JavascriptをOFFにしているブラウザからのリファラー(リンク元)は結果に反映されませんが、THK Analyticsが用意しているPHPタグでは、そうしたJavascriptがOFFのブラウザからのアクセスでもリファラー(リンク元)を取得できるので、とても便利です。

ただし、PHPタグを使用した場合、以下の内容が解析できませんので注意が必要です。

●リンククリック
●ボタンクリック
●Adsense クリック関連項目
●画面解像度
●画面色数
●Javascript / Cookie

なお、[Javascript]と[PHP]の併用はできませんので、自分の都合に合わせてどちらかを選択する必要があります。

THK Analyticsの使い方

THK Analyticsの解析用タグの設置が完了すれば、後は、管理画面にログインし、解析結果を見るだけです。

直感的に操作できますので、特に難しい使い方というものはありません。

ちなみに、事前に管理画面を見たい方は、THK Analyticsの公式サイト上のアクセス解析サンプルを参照してみてください。

THK Analyticsのアクセス解析サンプル

では、実際にTHK Analyticsを使ってみて、便利だなと感じた機能を何点か挙げてみたいと思います。

内部リンククリック測定用タグ

THK Analyticsでは、あるページに貼られている他サイトへの外部リンクがクリックされれば、自動的に計測されますが、内部リンクについては自動的に計測されません。

そこで、もし内部リンクについてもクリック測定を行いたい場合には、別途、[内部リンククリック測定用rel属性]を測定したい内部リンクのaタグに設置しておくことにより、内部リンクのクリックについても測定が可能です。

全部の内部リンクに対して、このrel属性を記述していくのが難しければ、導線を調べたい特定の内部リンクだけに適用してもいいかもしれません。

ページ集計

他のアクセス解析でもよくある機能ですが、THK Analyticsでも[ページ集計]において、入口(流入)ページ、出口(離脱)ページの解析が可能となっています。

また、直帰率もひと目でわかりますし、1人のユーザーがサイト内のページを何回閲覧したかを表す回遊率などもわかるようになっています。

クリック集計

THK Analyticsでは、上でも少し触れまいたが、外部リンクのクリック測定、また、ボタンクリックなども測定できるようになっています。

ボタンクリックに関しては、詳しい解説がない為、使い方がよくわかりませんが、おそらくですが、ページ内の<button>~</button>タグがクリックされれば測定されるのかなと思っているのですが、定かではありません。

その他にも、AdSenseのクリックなども測定できるようになっていますので、とても便利です。

以上、THK Analyticsの設置やインストール方法、使い方や便利な機能についてまとめてきました。

THK Analyticsは、一般的な無料アクセス解析のように、利用にあたって入会手続きなど面倒な手続きを必要とせず、一度設置してしまえば、バージョンを更新してくれる限りにおいて、ずっと使い続けられますし、何年前であってもさかのぼってデータを見ることができる点が最大のメリットではないかと思います。